メディカルコントロールとは?
救急現場から病院などの医療機関へ救急患者を搬送するまでの間、救急隊員や救急救命士が行なう応急処置などを、医学的な視点・観点から、その質を保障することを救急隊のメディカルコントロールといいます。
そして、このコントロールのためには、以下のメディカルコントロール体制を構築することが大切になってきます。
- 救急出動をおこなってから医療機関へ患者を搬送するる場合、救急隊がいつでも24時間体制で救急専門の医師などに指導・指示、助言等をすばやく迅速に求めること。
- 救急隊が行った活動を振り返り、その行った活動について医学的な処置と判断とが正しかったかどうかについて、医師によって事後の検証を行なうこと。
- さらに、行った評価をもとに、技術と知識とのさらなる向上を図るために、救急隊は訓練などを行なうこと。
- 救急救命士の資格取得後の再教育の実践として、期間をおいて定期的に医療機関において病院実習を行なうこと。
救急救命士の資格は、最初の制度が創設されてからすでに10年以上経ったのですが、この間、救急救命士法に基づいて、医療職の部門に位置付けられるようになりました。
さらに、救急救命処置を医師などの指示のもと行なうことで、救急患者の救命率の向上に多大な成果をもたらしてきました。
しかし、救急救命士の活動の現場は、救急現場であって、医療機関内ではないのです。
このような事情のため、看護士など他の医療従事者とは違って、残念ながら病院などの臨床の場で、医師等の指示をあおぎながらの、医学的な経験を十分に重ねていくことが難しいのが現状です。
救命率のさらなる向上を目指すには、傷病者を救急現場から搬送する間に、救急隊員や救急救命士が行う救命処置などのスピード・質などを高ることで、救急救命士が行なう処置範囲を今よりもっと広げる必要があります。
つまり、このメディカルコントロール体制を地道に構築することが、これからの重要な課題となるのです。