ホームヘルパーの問題点
このところやりがいのある仕事として人気が高くなってきている「ホームヘルパー」の資格。
この資格は、資格試験はないので、介護職の中でも比較的手軽に取得できる点が人気がある理由の1つです。
ですが人気とは裏腹に、実際にはホームヘルパーとして働いている人達の多くには、色々な悩みを抱えながら仕事をしている人も多いのです。
ヘルパーという仕事は、その仕事の性質上、人と関わることがほとんどを占める仕事になります。
ですから、精神的なストレスからくる仕事上の悩みを訴える人も少なくないのですが、それと同じくらい経済的な面での不満を感じている人も多いようです。
ホームヘルパーという職業だけに限ったことではなく、福祉・介護業界の給与が高くないことは最近特に問題となっています。
ニュースなどで離職者の割合が高いということを聞いた方も多いのではないでしょうか。
ちょっとショックな数字ですが、介護職に10年以上勤めている人の給与でも、一般の企業の大卒者の初任給と同等程度しかないとも言われています。
一体なぜこのようにヘルパーなどの給与は低いのでしょうか。
それに答えるにはいくつかの要素を考えないといけません。
まず、最初に最も要因として大きいのが、介護保険制度や報酬の設定に問題があるという点です。
一般企業と違って、介護保険などの公的な資金で運営される公的な保険制度に関する事業では、限りある資金をどのように効率よく運営するかが大事な要因になってきます。
じゃぁ仕事がんばって黒字を出せば報酬が上がるはずじゃないの?と思いますが、なんと、公的な資金であるが故に、極端に事業所に黒字が出ると報酬を下げられてしまうのです。
そのような構造的なこともあり、社員の給与をなかなか引き上げる余裕(術?)がないのが現状です。
また、介護事業でバカバカ儲けているという噂がたつと、「老人を食い物にしている」などの社会的批判にさらされやすいという問題点もあります。
介護事業は、家での介護が中心で、もともと家族などがボランティア(義務)として行われていたという考え(歴史)がまだまだ根強いのです。
そのようなバックボーンがあることから、特に日本では、福祉や介護の分野で商売をして露骨にお金儲けをしていると、世間の目が特にあまりよくないのです。
その他にも、介護や福祉を事業として位置づけられた歴史はまだまだ浅く、介護職員の技術面などにもばらつきがある、といった理由をあげることができます。
しかし、そうはいっても、これからの高齢化社会になくては絶対に必要な介護職ですから、政治的なことも含めて何とかこの現状が改善されなければなりませんね。