ホームヘルパーの悩みとは?(1)
ホームヘルパーはやりがいのある職業として人気のある職業です。特に資格試験は必要なく、決まった内容と時間の特定の講習を修了すればだれでも資格を取得することができます。
資格を取得して、これからの高齢化社会でばりばり働きたい!と今から思っている人も多いかと思いますが、ホームヘルパーとして実際に働いている先輩方には、仕事上の様々な悩みを抱えている人も少なくありません。
最も現実的な問題として、労働条件が決して良くない事を指摘している人が多くおられます。
正社員として働いている人の数もそれなりに増えてはいますが、ホームヘルパーは圧倒的に非常勤のパート勤務で就業している人が多いのが現実です。
一般の企業に就職した場合と比較すると、当然パート勤務では給料は下がり、雇用保険などの各種社会保険に加入できない、などといった切実な問題があります。
さらに、交通費はどんなに遠くても支払われない、利用者宅同士が離れていてもその間の移動時間は勤務時間とみなされない、といった問題もあり、多くが収入に対する不満のようです。
また実際の現場では、ホームヘルパーを介護士としての専門職ではなく、家政婦代わりとして使っている、というような心理的な不満も多くみられます。
ホームヘルパーは家政婦代わりなのだから頼めば何でもやってくれる、と考えている利用者も多いというのが現実なのです。
ホームヘルパーの仕事は本来、利用者が自分で生活をできるだけすることができるための自立の手助けをするものです。
利用者が自分でやれる事は利用者で行ってもらい、ホームヘルパーは生活する上での必要最小限のお手伝いをすれば良いのです。
しかし実際には利用者の中には台所の換気扇の掃除・草取りや犬の散歩まで頼む利用者もいます。
そのようなときは事業者がそういった本来の業務以外の依頼は受けることができませんとはっきり断わってくれれば良いのですが、仕事を断ってしまうと業績が下がってしまうのではないかと、断ることをなかなかできない事業者もいるようです。
もちろんそういった事業者は一部で、できるだけ良いサービスを利用者に提供したいというしっかりとした理念に基づい仕事を行っている事業者も数多くあります。
ホームヘルパーとして事業所に登録する場合には、収入などの金銭的な面の確認ももちろん大切なのですが、行こうとしている事業所が介護に対してどのような理念で事業を行っているかということについてもしっかり確認しておきましょう。